なぜなんだろう。
青は本当は寒い色。でも、あたたかく全てを受け止めてくれる色…… 大人の色なんだね。
旅の空はいい。
仕事で落ち込んだり、怒ったり、憎んでたり……。そんなとき、ふと見上げた青空に、ささくれ立った心を癒されることがある。それはそれでいいのだけれど、列車に揺られながら、とくに行く宛もなく、車窓から見上げる青空の、なんて開放的ないい気分。
いつか、テレビでやっていた、スペースシャトルから見た宇宙は、漆黒で、そこにポッカリ、水玉のように青い地球。命がそこにあるよって、感じさせる、そんな色だった。
青色は神の慈悲を示しているんだって。
空の色は、大気と太陽の光を色として見ているものだ。どれも、命を育むためには欠かせないものばかり。「生きている」のではない。「生かされている」自分であることを、今日は素直に感謝しよう。
あてどもない旅に、日々の慌ただしさに隠れているしかなかった本当の自分がトコトコ心の奥からやってきて、新しい自分を連れてくる。
かつて、僕は光より速く、あるいは時が止まったと感じるほど膨大な時をかけて、時という概念のない世界からやってきた。
この青い大地を見下ろしながら、僕はきた。太陽よりも猛烈な光に包まれながら……。ああ…落ちる。僕は落ちる……。
あの光はうせて、荒涼とした大地に立ち、僕は青空を仰いで、ここにいる意味をたずねている。いつか、あの光へと帰る時のために。
ガタ、ガタン、ゴトッ。
車窓にもたれて、うたた寝をしていた僕は、急坂を昇りはじめた列車の揺れで我に返った。ほおのよだれを手の甲でぬぐって、見上げると、山々の向こう、黒いくらいの青空とでっかい入道雲。そして遠くに雷鳴。夕立がくれば、少し涼しくなるかな。